『ファーゴ』映画 面白い?つまらない?あらすじ(ネタバレ)、感想と考察!日本人にまつわる都市伝説とは?スティーブ・ブシェミ最悪の死に方!?

映画ファーゴ 個性派俳優
引用元hirosankaku.com

今までに数多くの映画に出演しているスティーブ・ブシェミですが、数多くの殺され役も演じています。

ナイフで刺されたり、撃たれたり、顔を吹っ飛ばされたりとかなりエグい殺され方をしてきた彼ですが、その中でもブシェミ史上最もヤバい殺され方をしているであろう映画『ファーゴ』をご紹介したいと思います。

『ファーゴ』の作品情報

『ファーゴ』
公開日1996年3月8日(米)、11月9日(日本)
監督 ジョエル・コーエン
脚本 ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
製作 イーサン・コーエン
上映時間 98分

『ファーゴ』キャスト

マージ・・フランシス・マクドーマンド
ジェリー・・ウィリアム・H・メイシー
カール・・スティーブ・ブシェミ
ゲア・・ピーター・・ストーメア
ジーン・・クリステン・ルドルード
ウェイド・・ハーヴ・プレスネル
ノーム・・ジョン・キャロル・リンチ

主役のマージを演じたフランシス・マクドーマンドと監督コーエン兄弟の兄の方ジョエル・コーエンは1984年に結婚している夫婦です。

そしてこの映画の舞台となったミネソタは監督であるコーエン兄弟とノーム役のジョン・キャロル・リンチの故郷でジーン役のクリステン・ルドルードはタイトルのファーゴの出身だとか。

映画の舞台にその土地の出身者を起用するところにコーエン兄弟のこだわりというか遊び心を感じます。




映画『ファーゴ』のあらすじ(ネタバレ)

偽装誘拐の計画

ノースダコタ州ファーゴ。ジェリーは新車のシエラを車で引き車の整備士シェプに紹介されたカールと相棒のゲアとバーで落ち合う。

大金が必要だったジェリーは新車と4万ドルをやる代わりに妻の偽装誘拐をカール達に依頼。誘拐に成功したら身代金の半分の4万ドルを渡すと話す。

4万ドルも先に受け取るつもりでいたカールたちは納得がいかなかったが仕方なく条件を受け入れる。

家に戻ったジェリーは義父のウェイドに駐車場への投資を勧めるが75万というでかい投資になかなか頭をタテに振ってくれない。

ジェリーの妻ジーンは自宅で一人息子のスコッティに成績の悪さを叱っていた。そんな時ウェイドからジェリーにスタンという男が駐車場の投資に興味をしましている、と連絡が入り落ち合う約束をする。

誘拐計画実行

お金が手に入りそうだったジェリーはカール達に連絡を取ろうとするが繋がらずシェプに聞いても知らない言われてしまう。

その頃、テレビを観ながら編み物をしていたジーンの下に覆面の男2人組がガラスを割って乗り込んでくる。

パニックになったジーンは逃げ出そうとするが階段から転げ落ちてしまい気絶する。

ジェリーはウェイドとスタンと順調に投資の話を進める。しかしスタンからお金を借りて自分が投資をし利息をつけてスタンに返すつもりでいたジェリーに対して口利き料だけを払うつもりでいたスタンと交渉決裂。

結局投資自体をスタンに持って行かれただけに終わってしまったジェリーは苛立ちを隠せずにいた。

帰宅すると家の異変に気付き、ジーンの身に起きたことを察したジェリーはウェイドに連絡をし警察には連絡せず身代金を用意するよう依頼する。




崩れた計画と殺人

ジーンを乗せた車で雪道を走らせていたカール達はナンバープレートをつけていなかった為にパトカーに止められてしまう。

身分証の提示を求められ、車から降りるよう言われるとゲアはダッシュボードからピストルを取り出し警官を撃って殺してしまう。

カールが警官の死体を動かそうと抱え上げた時、向かいの方から車が走ってきてカールたちの様子を目撃してしまう。

ゲアはしばらくその車を追いかけるとスリップで横転しているのを見つけ、運転手と同乗者を撃ち殺す。

マージの推理

夫のノームとベットで寝ていた妊婦で警察官のマージの下に3人の遺体が見つかったと連絡が入る。

夫が焼いた卵を食べ現場に向かい状況を見て犯人の犯行行動を鋭く推理するマージ。

聞き込みから麻薬の件で仮出所中だったシェプへと辿り着き話を聞く。

そして同じ仕事場にいたジェリーに茶色のシエラが盗まれていないか?と聞くがジェリーは盗まれてないと返す。

女と夜を楽しんでいたカールのところにシェプが乗り込んできてカールを蹴り倒し「出て行け!ぶっ殺すぞ!」と怒り散らしベルトでカールを叩きのめす。




カールの狂暴

カールはジェリーに電話をかけ30分後に「“ラディソン”の屋上に金を持ってこい。じゃなきゃ女房と息子を殺す」と脅す。

それを聞いていたウェイドはジェリーの制止を振り切り自分でお金を持っていく。

ジェリーがお金を持ってくると思っていたカールはウェイドの腹部を撃つがウェイドも応戦。カールの顔を撃ち傷を負わせる。それに逆上したカールは再びウェイドに何発もの銃弾を浴びせ殺し、お金を奪い駐車料金所のスタッフまで撃ち殺して逃げ去る。

そこにすれ違いで訪れたジェリーはウェイドの遺体を目にするがそのままにして帰宅。心配するスコッティに大丈夫だと言う。

仲間割れ

ゲアに渡す分のお金を持ち残りのお金を雪の中に隠してゲアの待つアジトに帰るとジーンはすでに殺されていた。

お金半分と新車を貰うというカールにゲアは新車の分の金も半分よこせと言う。

自分の仕事量を考えれば妥当な条件だと思ったカールはそれを聞き入れず出ていくが追いかけてきたゲアがカールに斧を振り下ろす。




犯人の逮捕

カールが立ち寄ったバーなどからの聞き込みからアジトの場所に検討をつけたマージは探していた新車のシエラを見つけ銃を構えながら音のする方へ様子を見に行く。

するとそこにはカールの遺体を粉砕機で粉々にしているゲアがいた。

こちらに気付き逃げ出したゲアの足にマージは銃を1発撃ち込む。

マージの想い

ゲアを乗せたパトカーの中でマージは「なぜこんなことを?わずかなお金のために。理解でいない。人生はもっと価値がある」と語りかけます。

ノースダコタ州のビスマルク郊外のモーテルで逃げていたジェリーも逮捕される。

ある夜、3セット切手にノームのマガモの絵が選ばれ喜ぶマージ。3セット切手なんて誰が使う?と不満そうなノームに切手代が上がったら不足分にみんなが使うわ。と言います。

そして優しい夫と2ヶ月後に生まれる我が子とともに幸せを噛みしめるのでした。




『ファーゴ』映画 感想と考察

『ファーゴ』 実話?実話じゃない?

まず最初スクリーンにこんなテロップが映し出されます。

“This is a TRUE STORY
The events deflected in this film, took place  in Minnesota in 1987. At the request of the survivors,
the names have been changed.
Out of respect for the dead , the rest has been told exactly , as it occurred.

これは実話の映画である。
実際の事件は1987年ミネソタ州で起こった。
生存者の希望で人命走って変えてあるが死者への敬意を込めて事件の死の他の部分は忠実な映画を行なっている。”

これを見れば当然ノンフィクション映画なのだと誰もが思うと思うのですが、コーエン兄弟監督作品のファンなら騙されないでしょうか?

エンドロールの終わりに流れるようにこんな文章が出ていたことに気付きましたか?

“The persons and events portrayed in this production are fictitious.
No similarity to actual persons , living or dead , or intended or should be inferred.”

これを訳すと
「この映画に描かれている人物と出来事は架空のものです。生きてるか死んでるか問わず、実際の人との類似性はありません。意図されているか推測されるべきです。」

・・なんですと?
わたしは実話だと思い込んで被害者達に心の中で黙祷までしていたのに・・。

映画が始まる前からコーエン兄弟のブラックジョークにまんまと騙されておりました。

この手法ミラ・ジョヴォヴィッチ主演『THE 4TH KIND』を思い出しました。

主役の精神科医でセラピストのタイラー博士を演じたミラ・ジョヴォヴィッチが冒頭で「この映画は実際に起きた事件をもとに作られたものでタイラー博士自身も含まれています。」と語ります。

そして作中では当時実際の記録映像とそれを再現した映像が画面に並んで出てくるという観てる側としてはドキドキする作りになっていました。

これも結局演出だったようで、それを知ってガッカリ。

始めからフィクションと言っておくのと後から言うのと何が違うんでしょうか?

この観た者に対する「裏切り」が映画や私達にとって何がプラスになるのか・・。

確かに実話と思って観たからこそストーリーに入り込めたし、登場人物達の心情を考えもしましたがそれが監督の狙いなんでしょうか?




『ファーゴ』意味とは?

タイトルは原題も『ファーゴ』ですが、これはジェリーがカール達に偽装誘拐の依頼をするために落ち合った地名。

しかしファーゴが使われたのはこのほんの数分だけ。あとはほとんどがミネソタのノースダコタ州だったようです。

ファーゴという響きが気に入ったというだけのなんともコーエン兄弟らしい理由のようです。

でもこれはちょっと共感できる。妙にカッコつけたタイトルよりも映画のストーリーが全く分からないシンプルなタイトルの方が興味をそそるのは確かです。

『ファーゴ』 愚かで滑稽な人間模様

ただまとまったお金が欲しかっただけ・・。ジェリーのお金への執着から生まれた妻の偽装誘拐。

誰も死なせるはずではなかった計画がゲアの警官殺しからどんどんドロ沼にハマっていく。

ただこの計画が崩れたのはそもそもカールがナンバープレートをつけ忘れたからではないか?

そうじゃなければアジトまで誰も死なずに済んだかもしれません。

カールのミスのせいで3人も死ぬハメに・・。

それにこんな簡単に人を殺せちゃう2人は絶対過去にも間違いなく殺してる。そして明らかにヤバそうなこの2人にジェリーはよく依頼したなと思うわけです。

もし妻を殺しちゃったらどうしようとかふつう思うでしょ!

カールもゲアもひどいですが私的にはジェリーに1番腹が立っていました。自分が儲けることしか考えてないこの愚かな男がそもそもの元凶。

欲まみれの人間達のせいで関係ない人が次々に死んでいく。

死んでった人達は自分がなぜ死ぬことになったのか知る由もないとこが物悲しい。

なんとも滑稽で愚かな人間模様が描かれたこの映画をブラックジョークとはいえ私は中々受け入れられなかったですね。




『ファーゴ』カールとゲアの関係は?職業は?

そもそもカールはなぜこんなキレやすいゲアと組んでいたんでしょう?

車の運転もしない。会話もろくにしないから一緒にいてもつまらない。こちらの要望には何も答えない。挙句の果てに人質をあっさり殺しちゃう。

昔からの友達?だとしたらあっさりカールを殺すのはおかしい。

いつもの仕事仲間だったとして2人の仕事って?
殺し屋?にしてはやり方があまりに雑でお粗末。

ウェイドがお金を用意してくれたから良かったもののもし用意してなかったら?そんなこと関係なく人質を殺しちゃってるゲアはかなり頭が悪そうですよね。

麻薬の売買とかして稼いでる口でしょうか。
だから麻薬の件で仮釈放中だったシェプと知り合いだったのかも。

カールとゲアはその辺りで知り合った仲間といったところでしょうか。




『ファーゴ』 マージとノームの存在

誘拐に殺人と映画の内容が重いのとは対照的に妊婦で警官のマージの存在がこちらに少しだけ安心感を与えてくれるような存在に感じました。

殺人現場に呼ばれても旦那のノームが焼いてくれた卵を一緒に食べてから向かったり、殺人現場に着いてもコーヒー?をもらって飲んでいたり。

これはドラマ刑事コロンボを思い出します。現場でゆで卵をその場で剥いて食べてたり、現場でコーヒーをもらって飲んだり。

殺人という重いテーマのドラマでもこういうのが入ってるとちょっぴり安心感を与えてくれます。

日本じゃ考えられませんが。

そしてマージは妊婦さん。事件解決前でも関係なくご飯もモリモリ。

旦那のノームもマージの仕事場までハンバーガーを持って来てくれて一緒に食べたりと仲良し。

ちょっと不謹慎そうだけど全然憎めないし、むしろこの残酷な殺人映画にとって癒しとなる存在になってます。

ノームがハンバーガー食べてるの観て思い出しましたんですが、ジョン・キャロル・リンチは後に『フォウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』でフランチャイズする前のマクドナルド経営者のモーリス・マクドナルド役をしてました。関係ないですけど。




マージはなぜ妊婦なのか?

妊婦だと言うのに犯人達の潜伏先に応援も待たずに一人で乗り込んだりするマージにこちらはハラハラさせられたわけですが、妊婦という設定はマージを演じたフランシス・マクドーマンド自身の提案らしいです。

マージが妊婦であることでどんな効果があるのか考えてみると彼女の勇敢さは女性の強さというより母の強さとしてこちらに伝わってくる気がします。

そして殺人の現場検証や聞き込みをしてる時は緊迫感より何故だか安心感が伝わってきました。

マージが普通の女性ではなく妊婦=お母さんのおかげで残酷な殺人シーンの多いコワイ映画が少し和らいで見えます。

ラストにパトカーの中でゲアに語りかけるときも妊婦であることで自暴自棄になった10代の少年を諭してるかのよう。

ちょっと変わったキャラクターにしたかっただけかもしれませんが私にはこの終始雪景色の中のお母さんという存在に少し暖かみを感じることができました。




スティーブ・ブシェミの顔がいじられまくる!?

カール役を演じてるのはご存知、何かと殺され役の多いスティーブ・ブシェミ。

警官が追ってる男の特徴を聞くとみんな口を揃えて「おかしな顔」だと言う。「もっと具体的に」と言っても「とにかくおかしな顔」と答える。

完全にコーエン兄弟がスティーブ・ブシェミの顔を遊んでるように思えます。

ブシェミに何か恨みでも?と思ったけどきっとその逆でしょう。ブラックジョークの好きなコーエン兄弟のこと。きっとスティーブ・ブシェミに対する愛情表現だと思います。

スティーブ・ブシェミ 史上最悪の死に方!

最初は実話だと思って観ていたのでカールの末路は自業自得だ!と思ってましたがフィクションと分かるとこのキャラクターがなんか「ただの可哀想なやつ」に見えてきました。

目撃者に顔をいじられまくった後にシェプにベルトで首を絞められた挙句ぶたれまくる。

そしてウェイドに銃で顔を撃たれながら長距離を運転しやっとたどり着いたアジトでは相棒は人質を殺してお食事中。

お金は半分で新車ぐらいもらってもいいだろうと思ったら斧でやられちゃい、最後は粉砕機へ。

こんな可哀想なキャラクター見たことない。
もう悲しみを通り越して笑っちゃうレベル。

ここまでスティーブ・ブシェミを叩きのめしちゃうコーエン兄弟。これは彼への畏敬の現れであると信じたいところです。

スティーブ・ブシェミを知りたい方はこちらの記事をどうぞ↓

スティーヴ・ブシェミの身長は? 奥さんは?出演した映画や監督作品をご紹介 !




『ファーゴ』映画 日本人にまつわる都市伝説とは!?

映画『ファーゴ』とある日本人女性の都市伝説が存在するのをご存知でしょうか?

2001年コニシタカコさんという東京在住の女性がノースダコタ州ファーゴから60km東にある地点で凍死してるのが発見されています。

地元の警察によると、この6日前に彼女を保護した警察官が彼女から映画『ファーゴ』でカールが雪の中に隠したお金を探し来たという話を聞いていたことからニュースが広がったそうです。

あるわけがないのと説得するも言葉の壁が邪魔して上手くいかなかったんだとか。

しかしこれも結局地元警察の方の言葉の壁による勘違い。

通話記録や遺書などからタカコさんは仕事のことや不倫関係あった恋人との悩みが原因の自殺だったことが分かっています。

ファーゴはその恋人との思い出の映画だったらしいです。

都市伝説にまでなっちゃう映画『ファーゴ』。その中でもスティーブ・ブシェミのなかなか計画がうまくいかなくてイライラ、そのイライラが爆発してブチきれる演技は一際印象に残るものでした。

スティーブ・ブシェミの代表作の一つになるのも無理もありませんね。




『ファーゴ』映画 twitterでの評価は?

twitter での感想は

ファーゴという映画が好きで、キャラクターの当事者目線で見ると犯罪スリラーなのに引いた目線で見るとブラックなコメディになるのが絶妙だなと思う。-おじんさん-

この感想にはすごく共感!ほんとそう!ブラックジョークが通じる人じゃないとこの映画は楽しめないでしょう。

実在する・しないで思い出したけれど、『ファーゴ』という後味の悪い(個人の感想)映画では、冒頭の「これは実話である」も含めてフィクションだったからまんまと驚かされてしまったし、本当に後味が悪かった。  -レイラ-

大概の人は多分この感想でしょうね。たしかに罪のない人が死にすぎて普通に観れば後味は悪いですね。

『ファーゴ』映画 こんな人にオススメ!

とにかくブラックジョークが通じる人。

バイオレンス映画が好きな人。

でしょうか?

この映画は面白いと思う人とつまらない人と分かれるようです。

殺人シーンが多いのでそういうのがダメな人は見ない方がいいですね。

私も最初はなんて後味の悪い・・と思いましたがフィクションだと分かってからはちょっと面白く感じました。

ただ何度も観たいとは思わなかったかな。




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