『グラディエーター』や『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』、『her/世界でひとつの彼女』、『ビューティフル・デイ』などの演技を高く評価され、勇ましい役からクールな役、ちょっと頼りない役となんでもござれな俳優ホアキン・フェニックス。
サイコスリラー映画『ジョーカー』ではついにアカデミー賞主演男優賞も獲得し、ハリウッドを代表する実力派個性派俳優となりました!
今回はそんなホアキン・フェニックスが役作りのために行った過酷な減量法、
そしてアカデミー賞受賞者に多いメソッド俳優とはなにか?
ホアキン・フェニックスはメソッド俳優なのか?を書いていこうと思います!
ホアキン・フェニックス『ジョーカー』での減量法が過酷すぎる!
ホアキン・フェニックス『ジョーカー』での減量法はリンゴダイエットだった!?
ホアキン・フェニックスがアカデミー賞主演男優賞を受賞した映画『ジョーカー』。
あばら骨や背骨があらわになったその姿にビックリした方もいたんじゃないでしょうか?
病気的なその変わりようは体を心配してしまうレベルです。
その気になるダイエット方法はなんと
一日リンゴ1個。
というもの。
サラダを食べる時もあったそうですが、基本リンゴだけという夏前の女子校生みたいな無茶なダイエット法を行っていたそうです。
『ジョーカー』のトッド・フィリップ監督によれば、ホアキンがダイエットを開始したのは2018年の5/15〜6/1。
そして撮影が始まった9/12にはもうアーサー役としての体を作り上げてきたそうです。
その期間わずか4ヶ月・・。
81.6㎏あった体重は58㎏まで落ちていました。
減らした体重はなんと23.6㎏!
1ヶ月に5㎏減を4ヶ月続けたなんてすごくないですか?
わたしなら1年で5㎏減らせと言われても「ちょっと考えさせて」って言うかも(笑)
ヒーロー映画に出演する俳優さん達も常にマッチョな体を維持するのに苦労してそうですが、痩せ過ぎとわかるくらいの体を作るのも相当過酷ですよね。
人間、食べる欲求は当たり前にあるものですが、それを数ヶ月我慢するとなればもう食べること以外に何か楽しみでも見つけないとムリです。
わたしにとって食べる事はストレスを発散させる手段の一つでもあるのでこんなダイエットしてたらストレスでおかしくなっちゃうかもしれません。
ホアキン・フェニックス、過酷なダイエット方も役作りのためだった!?
ホアキン・フェニックスのすごいとこってただ結果痩せればいいというものではなく、その痩せていく過程さえ役作りに生かしているというところ。
過酷な減量法を行い、ホアキン自身の精神面を追い込むことで「徐々に追い詰められる主人公」を演じることに役立てていたんだとか。
さすがアカデミー俳優。やっぱりストイックですね。
体重を落とす段階から外見だけでなく、内面の役作りも始まっていたとは。
ただトッド監督はドクターに相談したうえでのダイエット方を勧めていたそうです。当然ですよね。
でもこの減量法のおかげもあって監督の希望だった
「栄養失調のオオカミのように飢えた不健康なキャラクター」
に見事変身していたんじゃないでしょうか。
ただ筋肉も落ちてしまっていたため、『ジョーカー』で度々登場するあの気が遠くなるような長い階段を上り下りするシーンやダッシュするシーンは結構キツかったようですね。
ほんとホアキン・フェニックスって演技に命をかけているような俳優さんですね。
こんな人に「無理しないで」って言ったって聞く耳持ってもらえないでしょうね。
ホアキン・フェニックス、減量したのは『ジョーカー』だけじゃない?
ホアキン・フェニックスが激痩せしたのはなにも『ジョーカー』の時だけではありません。
2012年の『ザ・マスター」でもまともな食事は摂らずにナッツだけの生活を送ったそうです。
顔だけ見ると『ジョーカー』の時より細いんじゃないかってくらいゲッソリしてますね。
なにがすごいかってこの映画の前に撮られた『容疑者、ホアキン・フェニックス』でのギャップ。
『容疑者、ホアキン・フェニックス』はホアキンの友人でもある俳優のケイシー・アフレックが監督を務めたホアキンのドキュメンタリー映画です。
ホアキンが突然俳優からラッパーへ転向すると宣言し、自分で歌詞を書いたり、なかなか思うように歌えなかったりしてイラついてる様子が描かれています。
このラッパー転向は当時本当に公に宣言していたのでみんな「ホアキンが俳優を辞める」ということと「ラッパーに転向」という二重の驚きで話題になったんですが、このドキュメンタリー映画のためのドッキリだったようです。
現に俳優は続けてますもんね。
とにかくこの映画の時のホアキンがなんともだらしない体型というか不摂生してる体って感じだったんです。
役作りでこの体型になったのか、もともとこうだったのか知りませんが「ずんぐりむっくり」って言葉が似合うような体型です。
髪はボサボサ。髭も伸ばしっぱなしで熊みたい。
映画がドッキリだと知らなかった時は「ルーニー、本当にこの人でいいのかな?」と余計な心配しちゃいました。
この映画の公開日から『ザ・マスター』の公開日まで2年空いてるもののこの時もおそらく20㎏は減らしたんじゃないでしょうか。
ラッパー活動がうまくいかないデップリおじさんから、『ザ・マスター』の戦争の影響によるPTSDでアル中になった病んだ男へのキャラと見た目の見事な変身ぶりが楽しめるのでこの二作品、見比べてみるのもいいかもしれません。
そしてもう一つの激痩せ映画は恋人のルーニー・マーラと共演した『マグダラのマリア』。
こちらは日本未公開なので私はまだみていないんですが、ホアキンはキリスト役をしています。
まあ、キリストがポッチャリしてたらダメなのはわかりますよね。
十字架を背負うシーンもおそらくあるでしょうしその時は裸同然の姿だと思うので体型にはかなり気を使ったと想像はできます。
この作品の前に出演した映画は『ゴールデン・リバー』という西部もの。
殺し屋の兄弟の一人というキャラクターもあって『容疑者、ホアキン・フェニックス』みたいに決して太ってはおらずむしろがっしりした感じ。
男としてかっこよく見える体型でした。
減量法は食事の摂取カロリーを300kcalに抑える方法で減量したそうです。
40代の男性の必要摂取カロリーは少なくても2300kcalなのでおよそ1/8に食事を減らさなきゃないことになります。
そう思うとこの時もかなり過酷だったようですね。
しかし、ホアキン・フェニックスは完全菜食主義であるビーガンとして有名な俳優。
日頃から太るようなモノは食べてないと思うんですが、どうして急激なダイエットをするほど太っているのかが逆に不思議です。
やっぱり役作りなんでしょうか?だとしたらビーガンでありながら太る方法もちょっと聞いてみたいですよね。
ホアキン・フェニックスはメソッド俳優なのか?
メソッド俳優ってなに?
「メソッド演技法」という言葉を皆さんは聞いたことありますか?
私はホアキン・フェニックスの記事を書くにあたって初めて知りました。
メソッド演技法の起源はロシアの俳優で演出家のコンスタンチン・スタニスラフスキーという方が考案したそれまでとは違った要素を持つ「リアリズム演劇」を本格化させるため提唱された「スタニスラフスキー・システム」という理論です。
そしてこれを弟子のリー・ストラスバーグがアメリカへと持ち帰りアクターズ・スタジオを創設。
ここで考案された演技法が「メソッド演技法」で1940年代ニューヨーク演劇で確立されたものなんだそうです。
「記憶を追体験する演技法」とも言われ,
ダニエル・ルイスや
ヒース・レジャー、
レオナルド・ディカプリオ
などがこれを積極的に取り入れている俳優として有名です。
このような俳優さんたちをメソッド俳優と呼びます。
1951年からのアカデミー賞受賞者132人のうち59人の俳優がメソッド演技法を参考にしており、うち33人はメソッド演技法を積極的に利用していたそうです。
いかに多くの俳優さんたちがこの手法を実践し、私たちの心に突き刺さる演技を披露してきたかが分かりますね。
「記憶を追体験」とは、自分の過去の体験から役の本当の感情にアプローチすること。
だそうですが、私のような演技の経験などないど素人にはさっぱり理解できません。
とにかく役になりきることだというんですが、それって俳優はみんなやってんじゃないの?って思いません?
しかし、メソッド俳優はキャラクターの人格だけでなく、深層心理まで深く掘り下げてその役になりきるんだとか。
なんとなくわかるような気がしますがそんなのどうやってやるんでしょうか?
ヒース・レジャーで例えるなら彼はアカデミー賞主演男優賞を受賞した『ダークナイト』でのジョーカーを演じるために6週間以上もホテルの一室にこもっていたそうです。
そして精神異常者の専門書を読みあさり、演技を何度も繰り返したとか。
その後ヒース・レジャーが睡眠薬の併用で「急性薬物中毒」で亡くなったことを見ればちょっとやりすぎだった?と思わざるをえません。
メソッド演技法、、なんだか危険なニオイがしますよね。
これって役に入り込むための方法ですけど、役から抜け出す方法はちゃんとあるんでしょうか?
アメリカではカウンセラーがつくのが当たり前のようですがそうまでしないといけないほど危険ってことじゃないですか。
メソッド演技法で自分の役を憑依させて終わったらまた全然違うキャラクターに入り込む。
そんなの繰り返してたら頭おかしくなりそうですよね。
ホアキン・フェニックスは本当にメソッド俳優か?
ホアキン・フェニックスのストイックな役作りのせいか、彼をメソッド俳優と紹介する記事を度々みることがあります。
確かに『グラディエーター』や『ジョーカー』での怪演を観ればそう思うのも無理はないです。
上記で紹介したあえて過酷な減量法を行ったことも普通じゃないですしね。
しかし、『ジョーカー』のトッド・フィリップ監督によれば、
「ホアキンはアーサーやジョーカーになりきったまま現場で過ごしているわけではない。テイクが終われば笑顔に戻る。」
と言っていたんだとか。
同じジョーカーを演じたこともあるジャレット・レトもメソッド俳優で有名ですが『モービウス』で共演したマット・スミスはインタビューで
「彼(ジャレット・レト)はずっと役のままでいるタイプだから、ジャレット・レトのことはマイケル・モービウスとしてしか知りません。」
と話していました。
この点からもテイクが終わったら元に戻るホアキンはメソッド俳優ではないんじゃないかと思われます。
それにメソッド演技法を教えているアクターズ・スタジオなどに通っていた経験もないですし、実際のところは分かりませんがメソッド俳優ではないと言っていいんじゃないでしょうか。
いかがだったでしょうか。
ホアキン・フェニックスがメソッド俳優であろうとなかろうと彼の演技が素晴らしい事は確かです。
これからも彼にしか出来ない役を期待したいところですが、寿命を縮めるような役作りはできればしてほしくはありませんね。
それでも身を削って自分の演じるキャラクターを
ホアキン・フェニックスは必死で突き詰めていくんでしょうね。
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