『チョコレートドーナツ』は実話!?ルディの歌の曲名は?日本では舞台化も!

ダウン症のマルコを引き取り、実の子供のように愛情を注いで育てるルディとポール。幸せな生活も2人が同性愛者であるというだけで奪われてしまう。美しくも切ない、愛の物語。
そんな映画『チョコレートドーナツ』のあらすじやキャスト、登場する歌の情報をご紹介します。

映画『チョコレートドーナツ』あらすじは?

1979年、カルフォルニア ウエストハリウッドのゲイバーでショーダンサーをしていたルディは本物の歌手を夢見ていましたが仕事ではいつも人の歌声を口パクで披露していました。
そこに初めて訪れた弁護士のポールはルディのステージを見ると彼を誘い出し電話番号を渡して別れます。

ある日、ルディは家賃を回収しに来た大家を追っ払ったあと、隣人宅から大音量の音楽がなってるのに苛立ち思わずプレイヤーを止めに家に入ります。そこには肥満でダウン症のマルコが隅で丸くなっていました。

放っておけなかったルディはポールに助けを求めますが「家庭局に連絡すべきだ」とだけ言われ、腹を立てたルディはマルコを連れて帰ります。
するとマルコの家に大家と家庭局の職員がいて、母親は薬物所持で捕まったからマルコを私設に連れて行くと言われます。
私設がひどいところだと知っていたルディは心配しますが黙って見ているしかありませんでした。

その夜ルディのバーにポールが現れ昨日のことを謝罪します。
仲直りした2人は帰宅途中、私設から抜け出し家に帰ろうとしていたマルコを見つけます。
そのまま連れて帰ってきたマルコを引き取りたいと思うようになったルディはポールの協力を得て刑務所にいる母親に承諾をもらい正当な手続きのもと3人で同居生活することになります。
しばらくは幸せな日々を送っていましたがポールの上司がポールがゲイであることに気づき彼は仕事をクビになってしまいます。
そしてマルコもまた強制的に私設へと連れ戻されてしまいます。ポールは以前の審議で自分とルディは従兄弟だと偽っていたのです。
それから2人はマルコを取り戻すため勝率が0とも言える裁判で戦うことを決意します。

映画『チョコレートドーナツ』感想

この映画はニューヨークのブルックリンのゲイである男性が障害を持つ子供を育てたという実際のエピソードをもとに作られた映画です。

ルディとポールのマルコに対する深い愛情が痛いほど伝わってくるんですが、同性愛の映画ってどうも偏見と差別が取り上げられて悲劇的になりがち。時代が時代なだけにこういった人達を社会の害のように扱う風潮がなんとも腹ただしく、観ていてストレスがたまるんですよね。

『チョコレートドーナツ』も半分くらいはそういうシーンですが、そのイライラを癒してくれるのがルディが作中で歌う名曲の数々。歌詞を見ればわかりますが、ルディのその時その時の心情を表現していました。
さすが舞台でも活躍しているアラン・カミング。もう作品を観た方は彼の歌声に感動を覚えたんじゃないでしょうか。

ルディは自分がゲイであることを隠すことなく、それどころかそんな自分に誇りさえ持っているように見えます。
女性的な面を持ちながらも自分を偽ることなく何事も恐れず、愛に溢れた強い人。
そんな自分にはない面を持つルディに周囲にゲイであることを知られるのを恐れ隠していたポールは魅力を感じ惹かれていたんでしょうね。
ルディの方も優しく知的なポールを心から愛しく思っていました。そんな彼を演じたアラン・カミングの繊細な演技がとにかく光っている作品です。

マルコを幸せにしたい、ただそれだけの2人なのに同性愛者というだけでなぜこんなにも苦しまなければならないのか、考えさせられる映画でした。

映画『チョコレートドーナツ』 キャスト

監督
トラヴィス・ファイン
脚本
トラヴィス・ファイン
ジョージ・アーサー・ブルーム

出演
アラン・カミング(ルディ役)
1965年1月27日(56歳)
スコットランド アバフェルディ出身
舞台俳優としても活躍しており『キャバレー』でトニー賞など数々の賞を受賞。俳優のみならず監督や脚本家も務めています。

1985年に女優ヒラリー・リオンと結婚するも1993年には離婚しています。
のちに彼はバイセクシャルであることを明かしていて2007年に同性婚をしています。

主な出演作
『アイズワイド・シャット』(1999)
『追撃者』(2000)
『X-MEN2 』(2003)
『マスク2』(2005)
『恋するベーカリー』(2009)
『バーレスク』(2010)
『テンペスト』(2011)  など

ギャレット・ディラハント(ポール役)
1964年11月24日生まれ(56歳)
アメリカ合衆国 カルフォルニア州出身
テレビや映画に出演する前はブロードウェイで活躍されていました。
2007年に女優ミシェル・ハードと結婚しています。

主な出演作
『ノーカントリー』(2007)
『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007)
『ウィンターズ・ボーン』(2010)
『リベンジ・フォー・ジョリー 愛犬のために撃て!』(2012)
『それでも夜は明ける』(2013)
『ロスト・マネー 偽りの報酬』(2018)
など

アイザック・レイヴァ(マルコ役)
中学校時代から役者を目指し、学校では数々の舞台に出演。
2010年には障害を持った大人のための演劇学校で演劇を学び、『チョコレートドーナツ』のために初めてオーディションビデオを撮っています。

映画『チョコレートドーナツ』ルディが歌っている曲は?

『come to me』(1979)
1963年生まれのカナダ ケベック州 モントリオール出身のフランス・ジョリという女性歌手が歌っている曲。トニー・グリーンがジョリのために書いたんだとか。
愛する人にそばにいてほしい、必要としてほしい
という想いがシンプルな愛の言葉で書かれています。

『Love Don’t Live Here Anymore』(1978)
アメリカのR&Bグループ、ローズ・ロイスがリリースした愛する人に去られた寂しさや孤独を歌った曲。
マドンナやロンドン出身のソウルミュージシャンのシールなど様々な歌手がカバーしています。

『I Shall Be  Released』(1968)
ボブ・ディランが作詞、作曲した曲で翌年ザ・バンドがシングルリリース。
歌詞にあるany day now(いつの日か)は映画『チョコレートドーナツ』の原題にもなっています。
歌詞の内容は少し抽象的というか詩的な表現がされていて人によって若干解釈の仕方が違うようです。歌詞に「解放」や「光」、「庇護」、「無実を訴える男」が出てくることから映画のルディ同様、差別や偏見の中にいる自分自身や人々の解放を願った曲のようです。

映画『チョコレートドーナツ』を日本が世界で初めて舞台化!

ルディ役を東山紀之さん、ポール役を谷原章介さんで日本で初めて舞台化されています。
演出は日本を代表する演出家、宮本亜門さん。
コロナの影響で東京での公演は延期され一部は中止になってしまったようですが、東山さんのドラッグクイーン、絶対キレイでしょ!って感じですよね。ぜひ観てみたいです!

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