子犬のベイリーが少年イーサンと出会い、幸せな日々を送りながら自分が生まれてきた目的を考える。そして一生を終え、何度も生まれ変わって再びイーサンに出会えることを願いながらその時その時の人生を楽しく、精一杯、前向きに生きようとするベイリーの姿がなんとも可愛く、愛おしい映画『僕のワンダフル・ライフ』。
ベイリーが生まれ変わる度に違う犬として生まれるので様々なワンちゃんたちを見れるのもこの映画の魅力になっています。
今回は3つの世代に登場するイーサンを演じた三人の俳優をご紹介するとともに、映画のあらすじと感想もご紹介したいと思います。
『僕のワンダフル・ライフ』イーサンを演じた俳優は?
イーサン役 (8歳) ブライス・ガイザー
ブライス・ガイザー Bryce Gheisar
この投稿をInstagramで見る
生年月日 2004年12月22日(17歳)※2021年時点
アメリカ テキサス出身
俳優
俳優デビューは8歳の頃の映画『The Bus Stop』でした。
『僕のワンダフル・ライフ』以外にも『Into the Who Knows!』(2017)に出演。同じ年の『ワンダー君は太陽』ではジュリア・ロバーツやオーウェン・ウィルソンとも共演しています。
2018年には2018年8月21日に実際に起きたタリス銃乱射事件を基に作られたクリント・イーストウッド監督作『15時17分、パリ行き』でアレックの少年時代の役を演じています。
とっても可愛らしい少年ですよね。優しそうな大きな瞳が印象的で笑顔のベイリーとイーサンが寝そべっているポスタービジュアルは私のお気に入りです。
イーサン役(青年) K.J アパ
KJ・アパ KJ・Apa
この投稿をInstagramで見る
生年月日 1997年6月17日(24歳)※2021年時点
ニュージーランド出身
俳優、歌手、ミュージシャン
俳優デビューは2013年~2015年のドラマ『ショートランド・ストリート』のケイン・ジェンキンス役でした。
『僕のワンダフル・ライフ』以外に『ヘイト・ユー・ギブ』(2018)や『ラスト・サマー-この夏の先に-』(2019)、『君といた108日』(2020)などに出演しています。
2021年の9月23日には交際中の恋人でモデルのクララ・ベリーとの間に息子のサーシャ君が生まれています。
あんなに可愛かったイーサンがイケメンのスポーツマンに成長した姿にキュンときた女性も多かったんじゃないでしょうか。
農業学校へ出発するとき、ベイリーを愛おしそうに抱きしめるシーンがとても印象的でした。
イーサン役(大人) デニス・クエイド
デニス・クエイド Dennis Quaid
この投稿をInstagramで見る
生年月日1954年4月9日(67歳)※2021年時点
アメリカ テキサス州 ヒューストン出身
俳優
デビューは1977年の映画『ジェームズ・ディーンにさよならを』で、2002年には『エデンの彼方に』のフランク役でゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされています。
代表作に『オーロラの彼方へ』(2000)、『エデンの彼方に』(2002)、『デイ・アフター・トゥモロー』(2004)、『G.I.ジョー』などがあります。
今までに3回結婚して3回離婚されています。2人目の奥さんとの間に1人。3人目の奥さんとの間に2人のお子さんがいらっしゃいます。
ちなみに2人目の奥さんは『めぐり逢えたら』や『ユー・ガット・メール』の女優メグ・ライアンです。
青年時代のイーサンとはだいぶ印象が変わっちゃったなと思いましたが、アメフトをあきらめ農業の道に進み、初老となっても変わらないたくましさと男らしさが印象的でした。
映画『僕のワンダフル・ライフ』についてはこちらの記事もどうぞ!↓
『僕のワンダフルライフ』を考察!ベイリーの犬種や吹き替え(英語)をした俳優、名言もご紹介!
『僕のワンダフル・ライフ』あらすじ(ネタバレ)
最初の生まれ変わり
雑種の野良犬として生まれてきた子犬。兄弟と遊びながら人生の目的はなにかという疑問を持つようになる。
子犬は遊んでいるところを野犬捕獲業者に捕まり、あっさり殺処分されてしまう。
子犬は最初はブリーダーのもとに赤毛のゴールデンレトリーバーとして生まれ変わった。
小屋から抜け出し、ゴミ捨て場で遊んでいるとごみを収集していた廃棄物業者の男に捕まってしまう。
男は仲間と一緒に子犬を車に乗せたまま食事に出かけてしまう。
車内で脱水状態になっている子犬を通りかかったイーサンが救ってくれた。
それから子犬はベイリーと名付けられイーサンとはどこへ行くにも一緒だった。
イーサンはパパとママそしてベイリーとでママの実家の祖父母の家へ遊びに行く。
広い土地に興奮したベイリーはさっそくニワトリたちと追いかけっこして遊び始める。
イーサンのパパはいつもネガティブに物事をとらえてばかりの男で周りを陰鬱な雰囲気にさせていた。
そんな空気を嫌ったイーサンはパパを避けていた。元気のないイーサンを何とか励まそうとベイリーはつぶれたラグビーボールで遊びに誘う。
ベイリーはその時イーサンを踏み台にしてジャンプしながらラグビーボールをキャッチする技を身につける。
イーサンとハンナの出会い
ある日、パパの上司がイーサンの家に食事に来る予定だったがパパが上司に見せようと思っていたコインのコレクションの一つをベイリーが飲み込んでしまい、イーサンはベイリーを散歩に連れ出しおしりからコインを出してくれるのを待つ。
なんとかコインがでてきたのでイーサンは「ネズミがテーブルの下にいる」と嘘をつき、ベイリーは大騒ぎ。その隙にどさくさに紛れてコインをケースに戻した。
しかしネズミにパニックになった上司の奥さんに恥をかかせてしまい、パパの昇進の邪魔をしてしまう。
怒ったパパはベイリーを物置に閉じ込めてしまうが、ベイリーは抜け出しイーサンのもとに舞い戻った。
高校生になったイーサンはフットボールのエースになっていた。ベイリーの執り成しのおかげでハンナという恋人もできた。
2人のデートにはいつもベイリーが一緒だった。
ミシガン大学に奨学金をえて入学が決まったイーサンだったが落ちぶれたパパのことでからかってきた同級生を殴ってしまう。
その腹いせに同級生はイーサンの家に花火を投げ入れ火事をおこす。
ママとベイリーを先に二階の窓からおろしイーサンは自力で窓から飛び降りるがその時、足を怪我してしまう。
その怪我が原因で大学入学が白紙になってしまったイーサンはすっかりふさぎこんでしまう。
心の傷からハンナとも付き合うことが出来なくなってしまい、自ら別れを告げるとハンナは涙を流して去っていった。
イーサンの旅立ちと別れ
農業の学校に通うため祖父母の家を出ていくことになったイーサン。
別れの時、つぶれたラグビーボールをベイリーに投げそのまま車を走らせる。
その後を必死に追いかけベイリーはイーサンの車に飛び乗る。
しかし、イーサンは「必ず戻る。」と約束してベイリーを車からおろし、再び車を走らせた。
イーサンが去って数年。ベイリーも老犬になっていた。動くことも少なくなり、食欲もなくなっていったベイリーを心配したイーサンの祖父母は動物病院へベイリーを連れていく。
腎臓が弱り治る見込みはないと言われ、安楽死を決意する。
イーサンの祖父はベイリーの最後に立ち会えるようにと電話でイーサンを呼んでくれた。
ベイリーの姿をみてイーサンは涙を流しながら別れを告げた。
二度目の生まれ変わり
次に目を覚ました時、警察犬のシェパード犬に生まれていた。しかも今度は女の子。名前はエリー。
日々パートナーのカルロスと訓練に励み、何度も事件を解決し表彰されてきた。
エリーはカルロスと暮らしていたがカルロスはいつも寂しそうだった。写真立てには恋人との写真が飾られているがそこに恋人はいない。
誘拐現場で捜査をすることになったエリーとカルロスは水門のところで犯人と被害者に追いつくが犯人が被害者を川へ突き落し逃げていく。
エリーは川に落ちた被害者の子を救出しカルロスのもとへ行く。そして犯人を捕らえるが、エリーは犯人の銃で撃たれてしまう。
カルロスはエリーを抱きながら「よくやった。いい子だ。」と泣きながらエリーを褒めた。
三度目の生まれ変わり
今度はコーギー犬として学生の黒人マヤのもとで暮らすことになった。名前はティノ。
マヤは学校へもどこでもティノを連れて行った。ティノはマヤの考えてる事なら何でもわかった。
ある日男子学生のアルが勉強会に誘ってくれるがティノの世話を言い訳に断ってしまう。
獣医からティノの運動を勧められ、公園で遊んでいるとティノは大型犬のロキシーに恋をしてしまう。
彼女についていくとなんとロキシーの飼い主はアルだった。
それから付き合うようになり一緒に暮らすようになったマヤとアル。ティノもロキシーと暮らせて幸せだった。
マヤとアルが結婚し子供も生まれるとティノは子供たちの相手で大忙しになった。
何年か経ち、ロキシーが病院に連れていかれると二度と帰ってこなかった。
年をとり、すっかり老犬になったティノ。ロキシーを失って寂しい思いをしながらも幸せを感じながらマヤのそばで旅立った。
四度目の生まれ変わり
トラックの荷台で売られている大型犬の子犬は若い女性にもらわれる。今度の名前はワッフルズ。
しかし、彼女の恋人は犬を毛嫌い。家にさえ入れてもらえず庭に鎖でつながれたまま。
遊んでももらえず、楽しいことは何もなかった。
ある日警察に動物虐待容疑をかけらた飼い主はワッフルズを車で遠くに連れて行き、置き去りにする。
自由の身になったワッフルズはある街に迷い込みドッグランで犬を連れた嗅いだ覚えのあるニオイの女性に出会うが見に覚えはなかった。
さらに先へ進み小麦畑を駆け抜けていくと嗅いだ覚えのある場所へと辿り着く。
なんとそこはイーサンが暮らす家と農場だった。
イーサンを見つけ彼に飛びつくワッフルズだったがワッフルズがベイリーだと気付くはずもないイーサンは彼にご飯を与え保健所へと連れて行ってしまう。
しかし、ワッフルズになにか縁を感じたイーサンは翌日ワッフルズを迎えに来てくれた。
ワッフルズはバディと名前を付けられイーサンと時を過ごすがイーサンの寂しそうな感情を読み取りなにかできないかと考える。
すると先日ドッグランであった嗅ぎ覚えのある女性を思い出し、会いに行くとそこには年を重ねたハンナの姿が。
嗅ぎ覚えのある女性はハンナの娘だったのだ。
バディに気付いたハンナは首輪のタグの飼い主の名前に目をやると、おどろいて言葉を失う。
イーサンとハンナの再会 そして・・
ハンナはバディを連れイーサンの家へと向かう。
再会したイーサンとハンナは昔のことや近況を話し合い別れようとするがイーサンは勇気を出して昔のことを謝りまた一緒になろうと告白する。
すでに夫を失っていたハンナはイーサンの申し出をうけ、二人は結婚する。
イーサンの農場で結婚式をあげキスするイーサンとハンナ。幸せそうな2人をみつめバディも満足だった。
式場を片付けるイーサンに自分が本当はベイリーだと気付いてもらうためバディはベイリーの仕草をするが気付いてもらえない。
そこでバディが物置からつぶれたあのラグビーボールを持ってイーサンに合図する。
ラグビーボールを投げてやるイーサン。それを持ってくるバディ。
だんだんとベイリーとバディが重なっていったイーサンは背中をジャンプ台にしたボールキャッチをやるようにバディに促すと見事にバディはやって見せた。
とうとうバディがベイリーだと気付いたイーサンはベイリーとの再会を涙を浮かべて喜び彼を抱きしめた。
そしてイーサンはバディの名札を再びベイリーの名札に付けかえた。
僕のワンダフル・ライフ』感想
最初の生まれ変わり
最初野良犬として生まれたベイリーはあっけなく殺処分という形で人生の幕を閉じてしまいましたが、生まれ変わった時、考察で書いた通り、前の記憶があるにもかかわらず人間への恨みなど持つこともなく前向きの楽しいことを探していました。
その後イーサンに助けられ楽しい日々を過ごしながらもいつも自分の生きている目的を考えていました。
人間である私でさえ生きている目的や意味なんて真剣に考えることもないのに・・。
イーサンと出会って、イーサンから離れないと決めたベイリー。てっきりこれが人生の目的になったのかと思いきやその後も人生の目的を考えていました。
ベイリーは始めから自分だけが幸せなんじゃダメなんだとわかっていたんでしょうね。
二回目の生まれ変わり
イーサンを悲しみから救えないまま死んでしまったベイリーは生まれ変わって今度こそイーサンを幸せに!と思いますがそこにイーサンはいません。いたのは別のご主人様。
本来イーサンの記憶があるなら別のご主人のもとから逃げ出してでもイーサンのもとに走っていきそうですが、そこが純粋な心を持つ犬。
現状を受け入れ、今のご主人と向き合い、その人のために何ができるか考えます。
なんて健気なんでしょうね。
警察犬エリーのとき、ベイリーはとくに訓練を楽しいとは思っておらず、命令を忠実に実行することでカルロスがほめてくれる、つまり喜んでくれるから一生懸命任務をこなしていました。
撃たれて死んでしまった時エリーは「あまり楽しい人生じゃなかった。」と言っています。それでもカルロスに最期「よくやった。」とほめてもらえたことで自分の役割が終わったと悟っていたのでしょう。
カルロスの恋人を失った悲しみを埋めてあげたくてしつこいくらい一緒に寝ようとするあのエリーの表情のなんと愛しいことか・・。
堅物なカルロスが最後涙を流すシーンは泣かない人なんていないんじゃないでしょうか。
このシーンが一番泣けたという方も多かったはずです。
三度目の生まれ変わり
三度目に生まれ変わったティノの人生が犬にとって一番理想的な人生だったんじゃないかなと思います。
美味しいものをいっぱい食べさせてもらい、ずっとマヤと一緒にいて寂しい思いもしないし、ロキシーという大型犬に恋もする。
そしてマヤの幸せにも偶然ではありますが貢献することができた。
そして老衰という形でマヤに看取られながらこの世を去る。
ティノはなんの悔いもなくやり残したこともなく人生を全うできたでしょう。
もしベイリーではなくティノの魂だったらここで終わっていたかもしれませんね。
四度目の生まれ変わり
四度目の転生が最も最悪な犬生といっていいでしょう。
ワッフルズとして若いカップルに飼われることになったベイリー。
外に繋がれたまま遊ぶことも散歩に行くこともできない。これではご主人のために何かしたくてもできないし、ご主人を知ることもできません。
せめてもの救いはカップルの男性がワッフルズを遠くに捨てに行ったとき、どこかに繋いでおかないでくれたこと。
世話が難しくなって檻に入れたまま森の奥に置き去りにして、たまにエサをやりに行く、そんなひどいことをする人も実際いたりするので自由の身になれたことだけは良かったねと言いたいです。
そのおかげでイーサンにも会えましたしね。
最期には本当に自分がやりたかった ‟イーサンを幸せにする” こともハンナに巡り会わせることで見事に達成したベイリー。
この映画でベイリーが教えてくれる人生の目的とは
そこに困っている人がいれば助ける努力をし、大好きな人には精一杯その人のためになることをする。後ろを振り返らず前をむき、絶対に自分も幸せになる。
ベイリーは最後の「自分も幸せになる」ということも、イーサンに自分だと気付いてもらうことで達成していました。
ベイリーみたいに行動に起こすことは難しいですが、人生良いことなんてない、なんて思っている方は気持ちだけでも前向きに考えられるようになればちょっとずつ人生をいい方向に変えられるかもしれませんよ。
『僕のワンダフル・ライフ』は原題が『A Dog‘s Purpose』(犬の目的)なわけですが私から言えば『人生を好転させる方法』みたいなタイトルでもいいくらいベイリーから教わることの多い作品だったと思います。
コメント