『ハクソー・リッジ』戦地となった沖縄の場所は?意味は?映画のあらすじ(ネタバレ)、キャストをご紹介!

アンドリュー・ガーフィールド 個性派俳優
引用元:amazon.co.jp

第二次世界大戦中の日本対アメリカ戦。

信念のもと銃を持つことを断固拒否し、それでも誰かを助けたいという想いからアメリカ軍入隊を志願した実在の衛生兵デズモンド・ドスの人生と激戦となった沖縄戦の様子を描いた作品、

映画『ハクソー・リッジ』をご紹介したいと思います!

『ハクソー・リッジ』作品情報

 

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2016年11月公開
原題 Hacksaw Ridge
監督 メル・ギブソン
脚本 ロバート・シェンカン
アンドリュー・ナイト
上映時間 139分

メル・ギブソンが2006年の『アポカリプト』以来、10年ぶりにメガホンを取り、アカデミー賞監督賞にノミネートされました。

 

『ハクソー・リッジ』キャスト紹介

デズモンド・ドス役
アンドリュー・ガーフィールド(『アメイジング・スパイダーマン』、『沈黙ーサイレンスー』)

 

ドロシー・シュッテ役(デズモンドの恋人)
テリーサ・パーマー(『魔法使いの弟子』、『君がくれた物語』)

 

トーマス・ドス役(デズモンドの父)
ヒューゴ・ウィーヴィング(『マトリックス』、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』)

 

バーサ・ドス役(デズモンドの母)
レイチェル・グリフィス(『日陰のふたり』、『ウォルト・ディズニーの約束』)

 

ジャック・グローヴァー大尉役(デズモンドの上官)
サム・ワーシントン(『アバター』、『アメイジング・ジャーニー神の小屋より』)

 

ハウエル軍曹役(デズモンドの部隊の司令官)
ヴィンス・ヴォーン(『ロストワールド/ジュラシックパーク』、『サイコ』)

 

スミッティ役(デズモンドと同じ部隊のライバル)
ルーク・ブレイシー(『Xーミッション』、『恋するモンテカルロ』)

 

ステルツァー大佐役
リチャード・ロクスバー(『M:i:Ⅱ』、『ムーラン・ルージュ』)




『ハクソー・リッジ』あらすじ(ネタバレ)

ー罪の意識ー

バージニア州に住むデズモンド・ドスは父のトーマスと母のバーサ、弟のハロルド(ハル)の4人家族。

ブルーリッジ山脈はよくハルと登って遊ぶお馴染みの場所だった。

父のトーマス(トム)は酒に酔いながら毎日のように戦友の墓に赴き「誰も俺たちを覚えていない。俺たちは存在しなかったんだ。」と戦争の虚しさを嘆いていた。

トムがうちに戻るとデズモンドとハルが取っ組み合いのケンカをしている。

トムは黙ってそれを眺めていたので母のバーサが止めようとした時、デズモンドは落ちていたレンガでついハルを殴ってしまう。

意識を失ったハルはトムとバーサに抱えられて家の中で手当てを受ける。

呆然と立ち尽くしていたデズモンドは壁に貼ってあった主の教え「十戒」に歩み寄り「第六戒、汝 殺すなかれ」をじっと見つめる。

そこへバーサが「人の命を奪うこと以上に重い罪はない」と教える。

トムは戦争での心の傷から毎晩のようにバーサに辛くあたっていた。

泣いているバーサにデズモンドは「お父さんは僕たちが嫌いなの?」と聞く。

バーサは「父さんは自分が嫌いなの」と返す。

ー運命の出会いー

15年後、教会のステンドグラスを拭いていたデズモンド。

外から叫び声が聞こえてきたので出てみると車の修理中に足を怪我した男性がいた。

デズモンドはとっさにベルトで止血し、男性をリンチバーク病院に連れて行く。

男性の命の恩人だと医者に言われ人を救う喜びヲ知るデズモンド。

そこへ看護士のドロシーに目が止まり一目で恋に落ちる。

デズモンドの積極的なアプローチに次第に心を惹かれていくドロシー。

デートを重ねブルーリッジ山脈にも一緒に登り幸せな日々を過ごしていた2人。

しかしある日デズモンドが衛生兵に志願したことをドロシーに伝え、それと同時にプロポーズする。

プロポーズを受けたドロシーはデズモンド入隊の日、自分の写真を挟めた聖書を手渡し訓練所へ行く彼を見送る。




ー人を殺せないー

陸軍に入隊したデズモンドは同じ部隊のランドール、ハリウッド、グリース、スミティ、カジンスキー、テックス、ヴィト、ラッキー、ウォーカー、ピクニックたちと挨拶する。

身体能力テストではトップのデズモンド。

しかし銃撃の訓練では銃に触ることさえ拒んだためサウエル軍曹にグローヴァー大尉のもとに連れていかれる。

デズモンドは自分はCO(良心的兵役拒否者)であるため人が殺せないだけだ、と訴える。しかも自分の宗派はサイリン派(土曜日が安息日)なので土曜は休ませてほしいとまで言う。

グローヴァー大尉は自分の命令に従わないなら除隊しろと言う。

神の教えに従い人は殺せない、でも戦地で人を助けたいと思っていたデズモンドは自ら除隊しようともしなかった。

グローヴァーはデズモンドが自ら除隊するよう雑用を散々させ、他の隊員も休暇なしで走り込みをやらされるなどのとばっちりを受ける。

これに腹を立てた兵士達数人が夜寝ていたデズモンドをリンチする。

翌朝、デズモンドの傷を見たハウエル軍曹はデズモンドに除隊を促すが、それでもデズモンドは首を縦に振らなかった。

これでは隊の規律を保てないと思ったグローヴァーはステルザー大佐に彼を除隊させたいと相談する。

デズモンドの話を聞いたステルザー大佐は「彼の宗教感は独特だが、精神的理由による除隊にはできない」と判断して、全ての訓練を受ければ衛生兵として認められると言う。

しかし銃の訓練を受けれないデズモンドは全行程の訓練修了を認められず休暇がもらえなかったためドロシーとの結婚式に出ることが出来なかった。

ー軍法会議ー

訓練を受けないなら軍法会議にかけられ戦争が終わるまで刑務所行きになると言われるが、それでもデズモンドは銃を持つことを拒否したため監禁される。

ドロシーもデズモンドのもとに駆けつけ説得するがデズモンドは信念を曲げなかった。

そして軍法会議。なぜ戦闘部隊にこだわるか聞かれ、

自分も国のために戦いたい。殺すのではなく、助けることで。1人くらい助ける者がいてもいいはずだ、と訴える。

それでも議長は起訴内容は明白だとし罪状を伝えようとすると会議場に父親のトムが現れ、

軍法を定めた憲法で息子は守られている。だからこそ我々は憲法を守るために戦っている。

と言って手紙を議長に渡す。そこには

“良心的兵役拒否者の権利は議会法で認められており、いかなる場合も行使できる。武器を取る命令の拒否もそれに含まれる。    戦争軍務司令官マスグローヴ准将 ワシントンD.C”

とあり、告訴は取り下げられることになる。

よって規定通り軍務を終え、衛生兵の訓練を受けることができることになったデズモンドはドロシーと抱き合って喜ぶ。




ー戦地へー

1945年5月 沖縄へと上陸。戦地へと向かう途中、アメリカ兵士の死体を積んだ車両と何度もすれ違う。

すでに日本軍と対峙した舞台の兵士から日本軍の恐ろしさを聞きながらいよいよハクソー・リッジへと乗り込む。

まずは海上にいる軍艦が砲撃。日本軍を弱めてから絶壁を登るとそこは死体だらけの凄惨な光景だった。

しばらく歩いていくと突然日本軍の攻撃を受け激しい戦闘が始まる。

次々と死傷者が出る中デズモンドは傷ついた者たちの手当てをし戦えなくなったものは安全な場所へと運び出していた。

夜になり戦闘が止んでからも生存者を探し続けるデズモンド。

生存者を見つけると応急処置をし兵士をロープで固定し崖から1人で下ろしていく、それを何度も繰り返していた。

その中には同じ部隊にいたハリウッドもいた。

治療を行うテントに次々と生存者が運ばれてくるのを不思議に思ったグローヴァー大尉はハリウッドからデズモンドが1人で救助活動を行っていることを聞き驚く。

救助したものの中には命は救えなかったが日本人も含まれていた。

なんとか生き延びたデズモンドだったがまだ戦いは終わっていなかった。

何人もの兵士を救ったデズモンドを見直したグローヴァー大尉は、お前がいないと自分たちは勝てないだろう、と再び兵士たちの救助をお願いする。

再び出撃態勢に入るグローヴァー大尉の部隊。その日はデズモンドの安息日だったため出撃時間を遅らせ彼に祈る時間を与えた。

そして戦闘が始まると再びデズモンドは負傷した兵士の救出や治療に尽力しハウル軍曹も彼に救われる。

しかしデズモンドも負傷し、今度は兵士たちが彼を必死になって無事に連れて帰ろうとする。

途中デズモンドがドロシーからもらった聖書を落としたことに気づくと1人の兵士が戦地に戻り見つけ出してくれた。

聖書を胸にデズモンドは無事に戦地から抜け出す。




『ハクソー・リッジ』感想

引用元:theriver.jp

戦争映画は見るのが本当に辛い。この『ハクソー・リッジ』もやはりそうでした。

戦闘シーンはリアルで迫力があり痛ましくまさに地獄絵図です。

ただ1発心臓や頭を撃ち抜かれて終わりならまだ良くて戦争で使われる銃はおそらく殺傷能力が高く作られているのでしょう。

当たった箇所は穴が開くというより吹き飛ばされると言う言葉が合います。

後半は残酷な描写が多いので苦手な方にはお勧めしませんがこの映画はその残酷な戦闘シーンに勝るほど人間模様が美しく映し出されているんです。

主人公のデズモンドの深い信仰心からドロシーへのまっすぐな愛。

デズモンドが理解できず疎ましく思っていた大尉たちが彼の戦場での行動によって偏見をなくし信頼していく姿。

安息日であるからとデズモンドのために出撃時間を延ばすなんて日本じゃ考えられないんじゃないでしょうか。

日本人も数人救おうとしたというデズモンドですがこれがもし日本人がやったら死刑になっちゃうんじゃないですかね?

同じ部隊でデズモンドをライバル視していたスミッティも戦場ではデズモンドに心を開き自分の両親の事などを話します。

個人的にここは好きなシーンでケンカっぱやく、ひねくれているのはお父さんの影響だったんだなぁ、とちょっとかわいそうなスミッティの生い立ちが垣間見えます。

そしてドロシーとの映画館やブルーリッジ山脈でのデートのシーンは見とれちゃうほど美しく、キュンキュンしちゃいました。

映画の中ではドロシーへのアプローチがとっても積極的だったデズモンド。

普段はおとなしい性格だったという彼がこんなに一生懸命になるなんてドロシーはよっぽど魅力的な女性だったんでしょうね。

アメリカ映画は父親と息子がテーマに描かれることがよくありますが、この『ハクソー・リッジ』もそんなテーマが含まれていた気がします。

戦争で親友たちを失い傷ついた心が癒えないまま戦争を恨んで生きてきた父のトム。

皮肉にもそんな父親に助けてもらい戦地へ行けることになるデズモンド。

最初は息子達が兵士に志願することに反対してたトムですが、結局父親としてデズモンドが信念を貫き通せるように、彼らしく生きれるように、計らってくれる。

引用元:tsutaya.tsite.jp

そんなトムがかっこよく男気を感じました。

戦地で殺すのではなく助けることを選び、それを見事に実行してみせたデズモンド・ドス。

こんな人が本当に存在していたんだと知ることだけでも人生を得した気分になれる映画です。

 




『ハクソー・リッジ』の意味は?

「ハクソー」(Hacksaw)とは「弓鋸」(ゆみのこ)・・主に金属を切断するために作られた歯の細かいノコギリ。

「リッジ」(Ridge)とは「隆起・尾根」

つまりハクソー・リッジとは「弓鋸のように隆起した尾根の地形」という意味です。

作中では断崖絶壁のハクソー・リッジに網をかけ兵士たちが自力で登っています。

これはこの地形のおかげで戦闘車両で攻め入ることが出来なかったためです。

 




『ハクソー・リッジ』戦地となった沖縄県の場所はどこ?

引用元:okinawa-repeat.com

沖縄本島の南にある宜野湾市と那覇市の間には浦添市と言う人口11万人弱の都市があるのですがそこにある浦添城跡がいわゆる「前田高地」と言われる場所。ここが映画の戦闘シーンになったハクソー・リッジになります。

1945年、アメリカ軍はまず宜野湾市と北に隣接する北谷町に上陸し那覇市にある首里城に進撃するため南下します。

前田高地はその途中にありました。

当時、首里城は日本軍の指令本部として使われていたためにその通り道であった前田高地は激戦地としての運命をたどることになったんですね。

『ハクソー・リッジ』インタビュー、デズモンド・ドスと彼を知る人々

75人の負傷兵を救い良心的兵役拒否者では初めて軍人最高の栄誉である名誉勲章を授与されたデズモンド・ドスの授賞式の映像もエンディングに含まれています。

登場人物たちの実際のインタビュー映像も含まれていてデズモンド・ドス本人や弟のハル、グローヴァー大尉、などがインタビューに応えています。

1991年にドロシーが亡くなるまで、2人は仲睦まじく暮らしたそうです。映画通り本当に仲の良いお二人だったようですね。

デズモンドは戦場では勇敢でしたが普段は控えめですべてを神に捧げて生きてきたそうです。

2003年のインタビューでデズモンドは

“ 戦場でいつも神に祈っていた「神様、どうかもう1人助けさせてください」と。1人助けるとまた「もう1人助けさせてください」と ”

死んだ兵士こそ本物の英雄なんだ。

 

ハロルド・ドス(ハル)

“ 信念を曲げることなど誰にもできない。信念は生半可なものじゃない、自分自身なのだ。

 

グローヴァー大尉

どれほどうるさく言っても銃を持つことだけは絶対に受け入れなかった。だが今になってみると彼こそ最も勇敢な男だったとわかるんだ。彼に命を救われたんだから人生は皮肉だ。

 

デズモンド

“ 顔中に血が流れ目の見えない兵士がいて地面に倒れ衛生兵を呼んでいた。水筒の水で包帯を濡らし顔を拭いてやるとまぶたを開いて僕を見た。そして「目が見える」と。その時の笑顔以上に嬉しいものはなかった。報われた気がしたよ。 ”

 

デズモンド・ドスは2006年3月 87歳で亡くなっています。

自分が信仰する神の教えの通り殺すのではなく助けることを選んだ彼の信念深さ。見習いたいものですね。

日本人は仏教徒が多いと思いますが、自分が仏教徒だと自覚してる人すら少ないんじゃないでしょうか。

自分の都合の良い時に神社にお参りに行ったり、お盆やお彼岸のような風習でご先祖さまを迎え入れるなどはありますが、日頃から神様と接することってあんまりないですよね。

人を救うために宗教ってあると思うのですが宗教のせいで戦争が起こるのもまた事実。

神の教えをデズモンド・ドスのようにみんなが正しく受け入れたなら世界はもっと平和になってたかもしれないですね。

 




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